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人によりけり お酒でたとえてみると 薬の効果には、「人によりけり」といった側面があります。 この「人によりけり」を、まず身近な お酒で 考えてみましょう。 お酒には「強い人」、「弱い人」、そして「全く飲めない人」がいます。この違いは どこにあるのでしょうか。 まず、お酒を飲むと、その成分であるアルコールが、腸から吸収され、血液に入り、それが脳に達して、理性をおさえ 感情や本能を刺激し 「酔う」という こころよい感覚を生み出します。これが 薬でいう「効果」にあたります。 このからだに入ったアルコール、分解されずに そのまま からだに残っているとすれば、一度飲んだら最後、一生酔っぱらっていなければなりません。からだのなかでは、アルコールを アセトアルデヒドという物質に分解し、さらにこのアセトアルデヒドを 無害な水や二酸化炭素などに分解することによって、徐々にアルコールが からだから消失し、酔いはさめていきます。 ところが、日本人の10人中4人は、アセトアルデヒドを分解する酵素が 遺伝的に「不完全」、すなわち足りません。この場合、アルコールの「酔う」という効果もでますが、飲み続けると、アセトアルデヒドの分解が間に合わなくなり、アセトアルデヒドが からだの中にたまってきます。 このアセトアルデヒドという物質は、顔を赤くさせたり、動悸、吐き気、頭痛など、不快な症状を引き起こします(副作用といっても良いでしょう)。「お酒、少しなら飲める人」のからだは こうした仕組みになっています。 さらに日本人の10人中1人は、アセトアルデヒドを分解する酵素を持っていません。このような方の場合、不快な気分を引き起こす アセトアルデヒドが たまるばかりとなって、「お酒がまったく飲めない人」となります。 「くすり」についても、同様の現象がおきうります。 当然ながら、薬は 十分な安全性を考慮して 研究、開発されていますが、個人個人によって、あるいは 飲み合わせによって、その代謝(分解)能力に違いが出てしまう場合があるために、効果が十分みられなかったり、副作用が出たりしてしまう、つまり 「人によりけり」が 起きてしまう場合があるのです。 <<はじめに戻る 薬の場合(薬の代謝酵素CYP)に進む>> |
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